ボイトレで高音域を鍛えよう
歌が上手くなりたいと思うようになったきっかけは「カラオケで高い音が出せるようになりたいから」という人は多いのではないでしょうか?
今回は、そんな高音域の音を出せるようになるためのトレーニング方法とコツをご紹介します。
どうして高い音が出ないの?
プロの歌手はさらっと出せてしまう高音、なぜ普通に歌うと音が出しにくいのでしょうか?
(1)喉が締まっている
正しい発声方法が身についていない人が高い音を出す時、どうしても喉を絞った状態で音を出してしまいます。喉に負担をかけずに高い音を出すには、力を入れず自然な状態で声を出せるようになる必要があります。
(2)口が横に開いてしまう
声を出す時、口の形が「い」と発音する時のように横開きになっていませんか?
横に開くことで喉が締まりやすくなり、高い音の時は余計に喉への負担がかかります。
プロの歌手の人を見てみると、縦に開いている人が多いですよね。
正しい発声方法は正しい口の開け方にも通じます。
(3)息を吐きすぎている
「腹式呼吸を使って、大きく息を吐く」これまでにボイストレーニングではよく聞く言葉でした。しかし、無理に続けると喉への負担も大きく声帯を傷める原因にもなりかねません。最近のボイストレーニングはより自然に声を出すことを大事にしたレッスンが中心となってきています。
(4)声がこもっている
高音が出にくい人の多くは、低音を出す時と同じ位置で声が抜けています。高音を出す時はいつもよりも高い位置(口の上に当てるようなイメージ)から抜けるように意識する必要があります。
(5)表情がかたくなっている
プロのアーティストは笑顔で歌を歌っているイメージが強いですよね。それは「口角を上げる」ことが音をきれいに出すためでもあるからなんです。口角が上がっていると、口の中で音が響きやすく、高い音の抜けも良くなります。発声練習はもちろん大事ですが、普段から表情筋を鍛えることも高音を出すためには必要です。
どんなトレーニングをすればいいの?
高音が出にくい理由が分かったところで気になるのは「トレーニング方法」ですよね。この項目ではおすすめのトレーニング方法をご紹介していきます。
(1)男女関係なくおすすめなのは「リップロール」
リップロールはボイストレーニングでは一般的な発声練習で、「プルルルル」と唇を震わせながら声を出します。小さいころ、リップロールとは知らずに遊んでいた人もいるかもしれません。久々にやってみると意外と出来なくなっている人も多いかと思います。
リップロールは高音域が出にくくなる原因にもなっている「喉に力を入れて声帯が締まってしまう」のを解消することが目的のトレーニングです。
リップロールをしながら出す音は、余計な力が入らずフラットな状態なので喉に負担をかけずに高音域を出すことができます。地声と裏声の切り替えをスムーズにする効果も期待できます。
【リップロールのやりかた】
1.口を軽く「う」の形にします
2.口を閉じます
3.息を吐きながら、唇をプルプル震わせます
はじめは出来なくても、何回か繰り返しているうちにコツをつかんできます。
多くのボイトレスクールで使われることが多いので、実際に体験レッスンなどに参加して教えてもらうのもおすすめです。
普通に歌っていた歌をリップロールで歌ってみると、今まで出なかった高音が出ることもありますよ。
(2)男性の場合
男性は女性よりも声が低い場合が多いので、いきなり高音を無理に出そうとすると喉を傷めてしまう可能性があります。低い音階から順に、自分の出しやすい範囲を広げていく方法がおすすめです。
また、無理に地声のまま高音を出すだけではなく、「ファルセット」という裏声を使った歌い方もあります。
(3)女性の場合
女性は比較的高音を出しやすい人が多いのですが、その分喉を使って歌いがちです。
喉への負担を少なくするためにもリップロールなどで力を抜いた状態で発声ができるようにトレーニングすることをおすすめします。
発声のタイプを知る
男女の違いだけでなく、発声には人それぞれタイプがあるのをご存知でしたか?
①プル
地声のまま高音域まで張り上げるタイプです。
【傾向】
・歌うとすぐ疲れたり、声がかれたりする
・高音が苦しそうに聞こえる
喉に負担をかけない発声方法を重点的に鍛えていく必要があります。
②フリップ
地声から高音に上がった時に、裏声にはっきりと切り替わるタイプです。
【傾向】
・地声で高音を出すのが苦手
・裏声は得意
中~高音域の音を出す時に声帯への圧力を均一にするようにトレーニングする必要があります。
③ライトチェスト
地声が弱く、裏声のままほとんどの音域を歌うタイプです。
【傾向】
・低音や力強い歌声が出せない
・高音を出すのは得意
地声で歌える音域を増やしていく必要があります。
④ミックスボイス
地声と裏声の境がなく、低音から高音まで滑らかに歌い上げることができるタイプです。
【傾向】
・高音を出す時も苦しくならない
・裏声も地声のような力強さがある
比較的高音を出すのに苦労しないため、この発声方法ができるようにレッスンをしているスクールが多いです。
自分のタイプを知ることで、高音域のトレーニング方法を絞っていくことができます。
混合タイプの人も多いので、自己判断で分からない場合は一度プロの耳で診断してもらうのもおすすめです。
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